胃や腸は、かなり大きく切り取っても、生きていけるので、あまり重要な器官とは思われていないようです。
たしかに、脳は複雑ですが、腸の働きを良く知るとそんなに単純なものではありません。
「腸は小さな脳」という学者もいるほどです。
食べたものは、胃で消化され、腸に運ばれます。
腸は運ばれてきた食べ物の成分を感知し、すい臓や肝臓、胆嚢などに指令を出し、その臓器に反応を起こさせます。
タンパク質や脂肪が多ければすい臓に指令を出してタンパク質や脂肪を分解する酵素を分泌させます。
お酒やスープが流れてくれば、アルコールやアミノ酸を感知して胃酸を分泌するよう胃に指示を出します。
卵の黄身が来れば、胆嚢を収縮させます。(溜まっていた胆汁が腸の中に入ってくる)
また腸は、食べ物と一緒に有害なものが入ってくると、腸壁から多量の液体を分泌し下痢を起こして毒物を外へ出してしまいます。
腸の中は、腸液という分泌物によってアルカリ性になっています。
強い酸性である胃液が腸に入ってくると、腸内のアルカリ性が酸性になってきます。
腸はそれを感知して、アルカリ性のすい液や胆汁を分泌させて中和します。
このように、腸には高性能の化学センサーが付いていて、適切な処置をするよう指示を出しているのです。
「腸は考える」藤田恒夫著、岩波新書